LANVIN デザイナー解任と就任

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暑中お見舞い申し上げます。

ランバンのアーティスティック・ディレクター、ブシュラ・ジュラールが、仏芸術文化勲章を受賞されました。2017年春夏からMATTOTTIのウインドウをはなやかに飾ったコレクションは瞬く間に顧客様はもちろん、時代を生き抜くお洒落でキャリアな女性に支持されました。その証は商品が1点も残っていないということです。

受賞の理由として新聞に記載されている中で「今日の女性が探し求めている理想のスタイルを作っている」と通信大臣のオードレ・アズレ氏が語ったことでも頷けます。

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▼2017春夏パリコレクションのフィナーレで、投げキッスをしたシーンは、マニッシュなスタイルの中にも女性としてのかわいらしい魅力を感じさせた。

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▼ランバンの前は、バレンシアガのニコラゲスギエールの下で最も彼を支えたアシスタントデザイナーとして偉大な存在をだった。

LANVIN 新デザイナー ブシュラ ジュラール 

▼ランバンデザイナー就任時(向かって右はランバン社長シャウ・ラン・ウオン氏)

LANVIN 新デザイナー ブシュラ ジュラールとオーナー

 

しかし、そのわずか1週間後、ブシュラジュラールの解任の記事が私を驚かせた。実質的には約1年4か月という短い期間だった。確かに、彼女に代わってから展示会ではバイヤーの数も少し減ってはいた。しかし、バレンシアガでは独自のレザーライダースや、テーラードジャケットのヒットを生み出したのは、彼女の実力だったと聞いていたから、そのキャリアが見事に、若々しく新生ランバンをよみが選らせていたのは確かだった。

そして控えめでいつも静かで冷静な彼女の眼差しがとても好きだった。

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そしてそのわずか数日後7月11日、後任にオリビエ・ラピドスが新アーティスティックディレクターに任命されたのです。

▼写真中央がオリビエ・ラピドス

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ランバンのオーナー、マダム・ウオン女史は、世界最古のオートクチュールのランバンを、眠れる森の美女を見事に蘇らせたといわせ14年間アーティスティックディレクターとして務めた、アルベールエルバスを解任した人物でもあり、今回の迅速かつ大胆な解任劇は本当に驚かされました。

ラピドスは就任にあたってこう述べています。

「ランバンで働くことは大変名誉なことであり、マダム・ウオンの私への信頼に心より感謝します。130年近く続いているランバンは、フランスで最も長い歴史を持つクチュールメゾンです。これから先長く続くように莫大な作業と挑戦が必要です」

ランバン社、社長のシャウ・ラン・ウオン氏は

ラピドスによのクリエーションは、ジャンヌ・ランバンによって具現化されたエレガンスに通じています。彼のメゾンアに対する世界観、ファッションとデザインの世界観に対する幅広い理解、全くモダンなアプローチの方法は、rンバンを新たな領域に導くでしょう。」

オーナーのマダム・ウオンは

「オリビエ・ラピドスは、常に時代の先端を走り、いつも新しいテクノロジーに興味を持ってきました。先駆者としてのデザイナーは、今、私達の会社の要望に賛同し21世紀のランバンの課題に取り組む事ができるでしょう。」と説明しています。

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★写真はオリビィエ・ラヒドス

オリビエ・ラピドスは、エコール・ド・ラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ(通称パリオーチュール組合校)を卒業。85~86年にバルマンのメンズのアーティスティック・ディレクターを務めた後、86年から3年間日本で働いた。08年に死去した父は60年代にユニセックスやサファリルックで俳優を顧客に抱えた「テッド・ラピドス」の創業デザイナー。

オリビエは父の跡を継ぎ、89年から閉鎖する00年までアーティスティック・ディレクターを務めた。その後、インテリアアイウエア、ホテルの内装などを手掛け、1月に自身のメゾン「クレアシオン・オリビエ・ラピドス」を立ち上げ、オーダーメイドを始めたばかり。

ランバンの新アーティスティック・ディレクターとして初のクリエイションはカプセルコレクションになる模様で、9月末か開催される18年春夏のパリコレクションでデビューする。

トッティでは昨シーズンまでバルマンを取り扱っていましたので、新デザイナーラピドスが、ファッション史に名を残すオートクチュールのランバンをどう解釈し表現していくのか、あと2か月先に迫ったパリコレが今から楽しみです。華やかなファッションこそ、ビジネスの難しさや思惑がありますが、創始者ジャンヌランバンの、デザインで時代を変えたという過去の財産を、ファッションを先導するフランスのファッションに界に更に継続、発展させてほしいと願うばかりです。

▼そして、MATTOTTI SERATAには、ブシュラジュラール最後のコレクションとなる秋冬商品がシックに飾られています。

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ラッフルをアシメトリーにあしらったコットンブラウスと、ショールームで好評だった羽根つきの繊細なコスチュームジュエリーがお勧めです。

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この秋16か月の間ランバンに全身全霊を捧げた彼女の渾身のコレクションを是非纏って欲しいと思います。

オーナーバイヤー岩高

★8月10日から16日までMATTOTTIのみお盆休みとさせて頂きます。La cham blancとSHELTER2は通常通り営業いたします。

 

2018春夏 sacaiプレコレクションとMM⑥メインコレクション報告(東京)

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▼2018年春夏サカイプレコレクションは東京南青山のサカイのショールームで行われました。
おもてなしは、いつもの煎れたてのTORIBAコーヒーとサカイコラボのチロルチョコです。🍫

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▼コンセプトは、「クリエイターの意図と受けとる側の解釈のバランスを探る」。

コンセプチュアルアーティストのローレンス・ワイナーのタイポグラフィーをデザインしたTシャツは、

サカイの人気のシャープでフェミニンなワードローブをカッコ良くスタイリングしてくれます。
また、得意の裾のペプラムをトップスやコートの袖口に付けてみたりとユニークなアイディアも沢山登場しています。


来春夏も、ベテラン阿部氏の技ありアイテムにより、オーダーもついつい、さくさくと沢山入ってしまいました(^_^;)

★画像はNGですが、先月パリのサカイメンズコレクションに、レディースも発表されていましたのでご覧くださいませ。

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▼サカイの展示会の後は、日帰りのため、表参道地下鉄駅までブランドショップのウインドウを駆け足で巡ります。

サカイドルガバマーク・ジェイコブスオフホワイトドリスヴァンノッテン

ピエールアルディラブレスプラダステラマッカートニーモンクレール

ビューティフルピープルアディションアデライデキツネカフェスーパーAマーケット。

これで精一杯、汗だくです👕💦

唯一店内を見れたのは、サカイとドリス。

サカイはセール品は無く全て秋冬物が展開、ドリスはセールと秋冬物が半々でした。

先月は話題の銀座を見て回りましたが、やはり南青山の路面店こそ、ブランド其々の世界観が感じられますね。

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▼東京展示会ラストはMM6。

プレコレクションは既に先月終えて今回はパリコレを前倒しで

いつものマルジェラ恵比寿のショップの上階で行われました。
テーマは「it’s all about shirting」。ズバリ「全てシャツ」です。

メゾンマルジェラの原点であるメンズライクな、ワーク、ミリタリーが、

深くシャツアイテムに組み込まれています。

もちろん定番のトップス、コート、ワンピースにもそのテイストは活かされ、

少し大人の雰囲気を感じさせる春夏MM6です。

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オーナーバイヤー 岩高

2018春夏 MM⑥プレコレクション報告(東京)

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▼2018年春夏バイイング始まりました。スタートはMM6から。
テーマは『インティュイティブ』。

直感的なセンスを感じさせるコレクションです。

スリットを入れたり丈の長さが前後違ったり、

自分で着こなす、自分で作るスタイリングが楽めるアイテムや、

ドラゴンフルーツカラーのコートは3Dのシルエット、

ウエストのエンベロップの金具はソフトでエレガントなシルエットを作ります。

オーバーサイズのシャツやコートも襟を抜いて着こなします。

スニーカーの新型も登場し、スポーティーで軽やかな世界を見せてくれました。

(写真はNGなのでショールームの素敵な色合いのお花を🌻

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▼先月ラシャンブランのポップアップイベントで大好評だったユナイテッドヌードの青山のショップへ。

今日定休日とは知らずに訪れると青田代表自らお店を開けて待っててくれました。

ありがとうございました💚
お店は青山の閑静な一等地にデザイナーのセンスが溢れる広々とした内装とレイアウト。

アートな洋書も飾られ青田氏のセンスとおもてなしの心も感じられます。

また一角にフレグランスが置かれ店内はとても心地いい空間でした。

また引き続き秋冬もラシャンブランでポップアップを予定しておりますので是非ご期待くださいませ。
尚、今月末までG6でポップアップショップを展開中です。

今から私も行ってきます🎵

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▼話題のGSIXへ到着!
と、思いきや人だかり!!!流石、銀座GSIXだと思っていたら

何とその真ん前の表札の上に猫が気持ち良さそうに座ってる!!!

こんなに人通りも車も多い処で悠々と眠たそうにしてました。

飼い猫か?野良猫か?、周囲の知らない人達同士でも自然と笑顔で会話が弾むから、

猫ってやっぱり魅力的なんですね

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▼GSIXを入ると中央の吹き抜けに草間彌生のオブジェが日本の美を魅せます。

そして、壁面には2フロアに渡り映像の滝が流れ建物の中居ながらどこかに自然を感じさせます。
そしてここに選ばれたラグジュアリーブランドのショップは、どこも内装やインテリアを刷新しています。

今やファッションとインテリアは欠かせない重要な要素になってきていると言えます。
マトッティのセレクトブランドのマルタンマルジェラとMM6も今までのイメージとは違うショップを表現していました。
ユナイテッドヌードは、銀座の街並みを表現したモダンな演出がカラフルでモードなシューズをより引き立てていました。

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▼話題の蔦谷書店は6階です。天井の高さを生かした書棚と、深く広がる通路はまるで美術館のよう。

ここにも和テイストの盆栽が緑と自然を感じさせます。
そして蔦谷と言えばスターバックス。20人ぐらいは並んでました。

そして奥のSTARBUCKSのリザーブBARも新しい提案です。
14階の最上階は都会のオアシス。

サラリーマンからご年配の方までリラックスしてる姿が何かほっこりしてました。

今日は東京もお天気が良かったのでスカイツリーも見えました。
何かと話題のGSIXは、今後の百貨店復活の起爆像になっていくのか目が放せませんね。

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オーナーバイヤー 岩高

 

 

2018年春夏パリ、プレコレクション4日目

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バイイング最終日はクロスから。
▼入口と中庭はいつもより沢山の紫陽花が出迎えます。

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▼画像はNGですが、既にインスタグラムでも話題のサングラスとパフュームだけお見せします。

パフュームは優しいユニセックスの香りで、レザーケースもクロスらしさを魅せます。

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▼サングラスはリガーズに製作を依頼しアマディ氏デザインの完全オリジナル。

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▲リガーズが得意とするホーンのフレームにクロスのアイデンティティが吹き込まれています。

ミニ盆栽のようなディスプレイや、毎年新しい試みを続けるアマディ氏の感性に癒されるクロスです。

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▼今日のスタイリング。

私はアンドウムルメステールの羽織とショートパンツでスニーカーを着こなしました。

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▼社長とバイヤー斉藤は、クロスのショールームを意識し全身クロスでスタイリングしました。

やっぱりメンズのクロスは格好いいですね。

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▼2018年春夏アンドウムルメステール、プレコレクション。

ニューヨークのフォトグラファーRobert Mapplethorpeにフォーカスし、

またアンドウムルメステールの友人Patti Smithからもインスピレーションを受けたテーマは「日本の桜」。

まずはチェリーブロッサムをイメージしたという大輪の美しいコサージュに目を奪われます。

桜のようなカットワークやプリント、桜吹雪をイメージしたドット。

アンドウムルメステールがフォーカスした日本の美しすぎる世界にご期待くださいませ。

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▼アンドウムルメステールのパリのショールームはいつもフラワーアレンジメントが素敵です。

特に今回は、2018年春夏のテーマの日本の桜をイメージしたコサージュが目をひきましたが、

それと全く同じ生のお花が、活ける場所によってアレンジも変えてあるのには感動しました。

バイヤーに、新作のイメージをより良く伝えたいという気持ちと、

美しい生の花で心地よくもてなす心が伝わってきますね。

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▼バイイング最後の夜は、グランパレのテラス席で、

憧れの素敵なマダムのご家族と楽しい夜を過ごしました。

そして毎夜、11時から5分間だけエッフェル塔がキラキラとしたライティングに包まれます。

テラス席からセーヌ川はすぐ目の前なので、光輝くエッフェル塔を眺めることが出来ました。

そして帰り道はライティングされた美しいパリの建造物を眺めながら、

お客様やスタッフ、そして周囲の方々のお陰で来春夏のバイイングを無事終えられた事に感謝を感じています。

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世界情勢や、SNSの進化によってファッションがある意味が急速に変化し、

それによりユーザー自体の行動も変化してしまいました。

ファッションこそが今まで人々を先導していたのが、

今や選択する自由を得ることができたユーザーが好きなファッションを選択するという逆転です。

しかし私達はパリに来る度に、ファッションが私達を先導している事に改めて気づかされます。

そして、自信をもって進んでいいんだと気づかされます。

そして、その気持ちが私に勇気をもたらします。

明日からお店に戻ります。
そして、再び自信と勇気を得た私に会いに来てください。

きっと皆様にも自信と勇気をもってもらえると信じて、ご来店を心よりお待ちしております。

 

オーナーバイヤー岩高