オリビエティスケンス回顧展
⚫NINA RICCI
2007年~2009年
ロシャスを去った後、間もなくして「ニナ リッチ」のアーティスティック・ディレクターに抜擢されました。
フェザーを使ったニット、儚げな色合い、都会的なパンツスタイル、
自然の色合いを混ぜ合わせたような暈しのプリント…。
私の一番印象に残っているニナリッチのパリコレは、チュルリー公園の自然の木々を背景にした特設テントでのショー。
ワンピースやセーターには軽やかで繊細なフェザーがふわふわとあしらわれ、
モデルの髪の毛にもそれらが舞います。
ランウェイを歩くモデルたちはまるで空を舞う天使のようでした。
オリビエティスケンスは、オーセンテックな硬いパリファッションから抜け出せなかったニナリッチを
見事に軽やかなフェミニンな現代の女性像へと脱皮させたのです。
こうして、クチュールを背景に持つロシャスとニナリッチでの経験を通して、
彼はシルエットや素材の探求を続け、ラグジュアリー・ファッションへの造詣をより深めていきます。
私の顧客も、オリビエティスケンスがロシャスから、
ニナリッチへと移行していくと同時に、より彼の理解者であり、
愛好家であり、ファンへとなっていきました。
オーナーバイヤー岩高