2021春夏コレクションバイイング報告によせてVOL.1

BALMAIN PS21 WOMEN PRE COLLECTION 隱ャ譏手ウ・侭1024_1

コロナウイルスの世界的感染拡大により、自粛生活が続く今年もあと数日となりました。

皆様も不安を抱えながらの年末をお迎えになられていることと存じます。

マトッティも5月から店を再開し今日までご来店頂きましたお客様には心よりお礼申し上げます。

しかしファッション業界全般にコロナは容赦ない厳しさを突き付け、弊社も非常に苦戦を強いられる半年となりました。しかしスタッフ共々気持ちだけは前向きに踏ん張り、何とか来春夏を迎える準備が出来て参りました。

そこで今回、パリに行かずしてどのようにバイイングをしてきたのか、リモートでのオーダーは実際どうなのか、デザイナーやブランドは健在なのか等、ファッション業界とバイヤーの現状をお客様にお伝えする事が、お客様の大好きなファッションへの不安に少しでも寄り添うことができるのではないかと思いこのような報告をさせて頂くことに致しました。

さて、秋冬商品の入荷は予想通り大幅に遅れスタート、その上、約2割の商品はキャンセルという事態。しかし世界的感染の中、商品が作られそして入荷するという事実に、改めてブランドの生産力の凄さを感じました。

ファッションはまだ生きている…。そう実感できた半年でもありました。

そんな秋冬の流れと同時進行していたのが、来年の春夏のオーダーでした。いつもは6月と9月にパリへバイイングに行っていましたが、今は海外へすら行くことが出来ないので、春夏の商品のオーダーはどうやって進めていくのかという事がこの時の最大の懸念でした。では3回に分けて春夏のバイイング報告をさせていただきます。

●BALMAIN

BALMAIN PS21 WOMEN PRE COLLECTION 説明資料-1

まず6月早々に展示会の案内がメールで届いたのがバルマンでした。パリで行われたショールームとアイテムの画像は例年と同じ商品のボリュームでした。ロックダウンのパリでどのようにしてこれらのサンプルは生産され、モデルに着せ、会場に並ぶのか…。ファッション業界こそコロナの影響を受けていると思っていましたが流石パリブランドはコロナの中でも生き続けていると驚きました。

バルマンは数シーズン前まで取り扱いしていた事と他のブランドの展示会が行われるかどうか不安があったという理由もあり、高額な商品でかなり不安でしたが営業との電話での詳細やラインでのやり取りで数日かかりましたがオーダーに至りました。

●DRIES VAN NOTEN 

次に案内が来たのがドリスヴァンノッテンでした。実は3月の感染拡大の直前パリ行きをキャンセルし、特別にお願いしたところ、パリコレのショールック、全アイテム、カラーと生地の見本、絵型がメールで送られてきたので、初のサンプルなしでオーダーをしたのがドリスヴァンノッテンでした。しかし実際入荷すると、色が違う…、雰囲気が違う…、こんなに重いのか…、サイズが合わない…、とかなりのずれが生じていました。サンプルを見ないでオーダーしたことを悔やみました。今後サンプルなしでオーダーするしかないとなると、当然仕入れロスが高くなる訳で、バイヤーとして納得のいかない葛藤した秋冬でした。

そんな苦い経験の中、来春夏のデータが届きましたが、抽象的なイメージ動画と小さな正面画像しかありませんでした。オーダーまでの締め切りも数日しかありません。秋冬の葛藤と自分の納得いく商品しかオーダーしないという今までのポリシーを曲げることができず、来春夏のオーダーは見送る決断をしました。マトッティの代表ブランドだったドリスヴァンノッテンの代わりになるブランドも見つけられていなかったのですが仕方のない苦渋の選択でした。

●Maison MargieraとMM⑥ 

DM用MM6

マルジェラとMM⑥は東京でサンプルが揃うと連絡がありましたが、その時は東京へ行くこと=感染の確立が高い=お客様やスタッフにも感染させる可能性が高くなると判断し、この2ブランドもメールで送られる資料でオーダーしました。バルマンと同じく仕入れの経験があるからこそサイズ感やイメージも沸きやすかった事がサンプルなしのオーダーの選択に至ったと思います。

 

 

オーナーバイヤー

岩高