21秋冬ドリスヴァンノッテン入荷しました。
3月にリモート&ZOOMで苦労してオーダーしたから喜びはひとしおです。
テーマは
「~情熱への呼び掛け~ピュアと情熱、マスキュリンとフェミニンの間で繰り広げられるダンス。融合し優しく重なりあうジェンダー。」
1年以上、人と人との距離を強いられる現実こそ、性やあらゆる格差を見直すべきとドリスヴァンノッテンは教えてくれます。
インナーのベロアの薔薇の奥深さと、流れるストールプリントのジャケットから体の底から強い血流が流れ出すような毒々しいパワーを感じます。
服は何も語らないのにそんな力を感じる・・・これが一流ブランドの証なのでしょう。
fogalとのコラボ、ストッキングも揃いました。
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そして、私の中でのこの秋リコメンドNO.1のオーバーサイズジャケットを着用しました。
構築的なメンズのテーラリングは流動的で儚さを帯びるウィメンズへと表情を変える。ベルベットのトロンプルイユがプリントされ本来のテーラードが歪められる。その描写を楽しめる喜び。
しかし今の縮こまった閉塞感が万永するファッション市場と現実は、ありきたりでベーシックな生活必需品としかファッション価値を見いだせない人達にとって、デザインは無縁で不必要なものだなのだろうかと、自身に問いかけたりする。
しかしこのジャケットに共感するお客様は本心を口にする。
「思い付かないデザイン発想の素晴らしさを感じる。」
「大胆なプリントに驚きと困惑する自分に久しぶりの動揺と感動を感じる。」
「ファッションとは本来このようなものだと思う。」
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入荷の商品に同包された9冊のLookbookは、キャスパーセイエルセンによる写真とフィルムで魅せたデジタルショーが掲載されています。
ベルギーの世界的に有名なコンテンポラリーダンスホールカンパニーと、パリ国立オペラの数人を合わせて47人のパフォーマーが集められました。ダンサーの中にはすうにんのモデルが混ざり、さらに数人の男性振り付け師が加わって完成しました。
ロックダウン中、3日間にわたって行われた撮影は殆どの人が7日間の隔離制限を行っています。
パフォーマーがスクリーン上で一緒に作業が出来るように、別々のバブルが用意されました。このプロジェクトは演じる機会がほぼない時期に、殆んどのダンサーが喜んで受け入れました。
そして、ダンサーはモデルに、モデルはダンサーになった。
人間的な体のラインを持つダンサーが服を纏うことは、服を着せることの既成概念とは異なる視点から服を理解することになった。
今は何でもすぐに情報が手に入る時代だから、すぐに出来ることしか考えないし、ややこしいことは受け入れない。
ドリスのLookbookはそれとは真逆のストリーがある。
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神戸も大雨警報発令中ですがそんな心配をよそに今日もお客様はご来店いただいております。
こんな雨よりファッションの力は強いんだなとお客様とファッションに励まされます。
時代と逆行しているのがファッションなのか、時代の先を行くのがファッションなのか、たまにはこんな話なんかをじっくり皆さんと語り合いたいですね。
オーナーバイヤー 岩高
★お盆休みは8月16日(月)~18日(水)です。