2024年、沢山のご愛顧を有難うございました。

2024年の今日、全店、無事営業最終日を迎えることができました。

これもお客様の温かいご愛顧のお陰と心より感謝お礼申し上げます。

振り返ると、元旦からの能登半島地震、そして記録的な猛暑、中東情勢の悪化、円安等、史上最悪と言える打撃の連続は私達ファッションビジネス側にも非常に深刻な影響をもたらした一年でした。

さらに追い打ちをかけるように、6月、ドリスヴァンノッテンの退任。

更に12月、『メゾンマルジェラ』のデザイナー「ジョンガリアーノ」の退任。

MATTOTTIの基幹2ブランドのクリエイティブディレクターの相次ぐ突然の発表は、MATTOTTIにとって先行きの不安と懸念の連続でした。

そんな日々の中、お客様は、いつも元気で、そして明るくパワーに溢れてMATTOTTIに来られます。

それはどんな時代であろうが、ファッションの持つパワーは人々にとって、かけがえのないものだからです。

しかしながら、疑心暗鬼は常に私の中にあります。

ファッションの持つパワーなら、もっと魅力的なブランドや商品が揃っている店は他にもたくさんあるはず…。でも、お客様はMATTOTTIに来てくれている。

それはなぜだろう…と。

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つい先日、とある雑貨屋さんで感じた事。

外から見るとその店は何でも揃っているように見えたので何か良いものが見つかるかもしれないと足を踏み入れました。予想通り生活雑貨から洋服、インテリアまで幅広く何でも揃っていたので、興味深く、ぐるぐると広い店内を期待を込めて回遊しました。

でも結局何も買わずに出てしまったのです。

買いたかったものがきっとあるはずだと思って入ったのに買いたいものがなかったのです。

つまり、人は買いたいものがはっきり決まっている時はその品が必ずあるという事を知っている店に行きます。

そして期待通り自分が買いたかったものがあればきっと買うでしょう。

でも今回のように、何かいいものがあるかな?と思って店に入ってもそれがなかったら当然ながら買うに至りません。

MATTOTTIにくるお客様は、ブランドのこともよくご存じで、おしゃれで着こなしも上手ですからファッション知識に溢れています。

それでもMATTOTTIに来られるというのは、「ご自身のオシャレな感性の範疇以上のものがMATTOTTIに行けばあるはず」と期待されているからではないかと思います。

「買いたいものがある店に行く」ではなく、

「何か良いものがあるに違いないから、そして新しい何かを感じられる店だから行く」にならなければと感じた瞬間でした。

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最後に。

実は、私の大切なお客様が11月に急逝されました。女性として常にカッコよくお洒落で気配りのある素晴らしい方でした。

あまりの突然の事で、気持ちの整理も付かない日々が過ぎてゆきましたが、今までのご愛顧にしっかりと感謝の気持ちを伝えたかったので、MATTOTTIでお別れ会を致しました。

今回のブログのトップ画像は、バラの花がお好きなお客様でしたので、そのお別れ会にご臨場頂いた他の顧客様がお持ち下さった献花です。

お客様同士のリスペクト。それは私にとって今までにない素晴らしい心の感動を導いてくれたのでした。

このお客様の生前に頂いた厚いご愛顧に恥じないよう、そしてお見送りいただいた多くのお客様に、そしてこれから新たに出会えるお客様に、「何か良いものがあるに違いないから、そして新しい何かを感じられる店だから行く」と言われるよう来年も精一杯努めてまいります。

皆様にとって新年が素晴らしさに溢れる一年でありますよう心よりお祈り申し上げます。

来年も何卒宜しくお願い致します。

❇️新年は1月4日(土)より営業致します。

❇️WINTER SALE 1月4日(土)よりスタート致します。

MATTOTTI

オーナーバイヤー 岩高要子