アントワープ最終日

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▼アントワープの新スポットのご紹介です。

「GRAANMARKT13」は、数年前にオープンしたセレクトショップと地下のカフェが話題を集めています。

アンドウムルメステールのショップの方にも是非とお勧め頂いたお店です。

1階と2階はセレクトショップで、お洒落な雑貨やフレグランスやアロマが揃います。

地下はレストランカフェ。

あいにくランチに間に合わず入れませんでしたがかなりお勧めだそうです。

 

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▼そして、ベルギーと言えば王室御用達のチョコレートが有名。

アントワープに住んでいた知人から絶対ここと

お勧めされたのが「SWEERTUARGHER」(スェールバーゲル )です。

1933年創業の老舗で、防腐剤を使っていないのでとっても新鮮でベルギーの最高級と言われるお店です。

お土産に顧客様に召し上がっていただきましたが

皆様とても美味しいとかなりの高評価を頂きました。

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▼アントワープ最後の夜はフレンチレストラン「Sir Anthony Van Dijck」へ。

大聖堂のすぐ近くの少し奥まった隠れ家です。

ここは星4つを獲得した老舗フレンチでしたが、

もっと気軽に沢山の方にフレンチを楽しんでほしいと、星を返上して内装もモダンに改装したとの事。

その精神、凄いと思います。

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▼レストランは広々とした空間。

北欧のインテリアとアートが融合したお洒落で落ち着いた雰囲気でした。

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▼暖炉もやっぱり良いですね。

サービスも然り気無さがとっても良い感じでした。

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▼お料理もとっても美味しかったです。

最近はビジュアルがお洒落過ぎるフレンチに少し飽きていたから、

フレンチ本来の素朴さを残しながらも味付けは最高で大満足でした。

こんなお店、パリには意外と無いんですよ。

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あっという間の2泊のアントワープ。

穏やかな街並みと歴史が宿る佇まい。

そして、ハイクラスなデザイナーを輩出したベルギーブランドの、ドリスヴァンノッテンとアンドウムルメステールのショップ。

そして、若くして回顧展を成功させたオリビエティスケンス。

 

15年前の私の初版の『セレクトショップバイヤーの道』には、

「私はきっとまたいつかアントワープを訪れる気がしています(後略)…。」と書いていました。

15年ぶりに訪れた街は少しも変わることなく私たちを静かにそして優しく受け入れてくれました。

そして今は、ベルギーブランドを顧客様に伝えることができるまで私もお店も成長したと思えます。

 

今年で30年を迎えるMATTOTTI。

私の力が続く限り、これからもデザイナーの感性そして作品を発掘し、

一人でも多くのお客様に伝えていけるよう努めてまいります。

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▲チェックアウトの時には、ホテルの赤猫「フェリモン」も、ちゃんと最後にお見送りに出てきました。

アントワープは猫ちゃんまで、おもてなしがお上手なんですね。

「フェリモン、またアントワープに来るからその時まで…またね…。」

オーナーバイヤー岩高

オリビエティスケンス回顧展 Vol.6

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オリビエティスケンス回顧展

Oliver thiskens
そしてNOW 2016年~

「セオリー」を去ってから約2年、彼の行方はわからなくなっていました。

そして突如新聞で、彼が自力でパリコレを発表したと知りました。

その後しばらくして、オリビエティスケンスの取り扱いのアプローチを頂いたのです。

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今回の回顧展の最後を締め括るのは、そんな現在の「オリヴィエ ティスケンス」のコレクション。

その中には、マトッテイで買い付け、既に顧客のクローゼットに届いた作品も沢山並んでいました。

彼のデビュー当初から用いているホックのデザインや生地のバイアスカット、

伝統的なコスチュームの要素、クチュール的なディテールを生かしながらも、

リアリティーのあるウエアに仕上げられています。

展覧会のリーフレットにはこう書かれています。

「ティスケンスのミューズは時代とともに変化する。

彼女はロマンチックで、神秘的で、強くてエレガント。

若い場合も年老いている場合もあるが、どこへ行こうとも美の中を歩いている」

先日の2018年秋冬パリコレのフィナーレは、彼の長年のファンの喝采が渦巻き、

彼の表情も満足感に溢れていたのを鮮明に覚えています。

そして翌日マレ地区の彼のアトリエ兼ショールームを訪れた時も、彼は落ち着いてゲストを迎えていました。

ロシャス、ニナリッチ、セオリーで20年のキャリアを積んだ彼はまだ40歳。

これからのモード界を担っていくデザイナーの一人であることは間違いありません。

オーナーバイヤー岩高

オリビエティスケンス回顧展 Vol.5

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オリビエティスケンス回顧展

THEORY
2010年~2014年

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ニナリッチを去った後、一転、2010年にはアメリカのコンテンポラリーブランド「セオリー(THEORY)」の

新ライン“ティスケンス セオリー(THEYSKENS THEORY)”のクリエイティブ・ディレクターに就任したと聞き、とても驚きました。

(2011年からは「セオリー」のデザインも監修)

パリの高級プレタポルテをモードへと転換させてきたティスケンスが

ワーキングウーマンの服をデザインする…。

それもアメリカ…。

その転身に驚いたのです。

そして4年。

ロシャスやニナリッチよりも長く続けたことも意外でした。

しかし、今回の回顧展では、セオリー時代のコレクションは2体しか展示されていませんでした。

そして、その横にNYコレクションの映像が流されていました。

これは何を意味するのだろうか。

彼の中でこの時代の意味するものはたったのマネキン2体…。

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私が思うのは、彼のアメリカでの経験は、自身のクリエイションの幅を広げるとともに、

ビジネスマインドにも影響を与えたのではないかと思います。

彼もファッションがビジネスとして成り立つ事こそ、

これからデザイナーとして求められてるものと充分に学んだのではないかと感じています。

▼セオリーを経た後、細長い通路の向こうに一筋の光が見えました。

それを進むと緩い階段の上に飾られた純白の美しいウエディングドレスが姿を表しました。

ドレスは長い長い裾が美しさを強調していました。

その裾にはティスケンスらしい繊細な刺繍が施されていました。

暫くその白に美しさに目を奪われました。

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▼そして、ふと気になったのは、後ろ姿に飾られていた事。

ウエディングドレスは後ろの裾のレーンが一番の美しさを語りますがその理由だけではない気がしました。 

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この回顧展はティスケンス自らがトルソーに着せ着けたとか…。

後ろ姿のドレスの意味…。

それは「今は既に過去。ウエディングドレスは人生のひとつの節目。そして旅立ち。」彼は既にこの時、

次にやるべき事が見えていたのではないかと、密かにそして勝手に私は感じたのでした。

 

オーナーバイヤー岩高

オリビエティスケンス回顧展 Vol.4

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オリビエティスケンス回顧展

NINA RICCI
2007年~2009年

ロシャスを去った後、間もなくして「ニナ リッチ」のアーティスティック・ディレクターに抜擢されました。

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フェザーを使ったニット、儚げな色合い、都会的なパンツスタイル、

自然の色合いを混ぜ合わせたような暈しのプリント…。

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私の一番印象に残っているニナリッチのパリコレは、チュルリー公園の自然の木々を背景にした特設テントでのショー。

ワンピースやセーターには軽やかで繊細なフェザーがふわふわとあしらわれ、

モデルの髪の毛にもそれらが舞います。

ランウェイを歩くモデルたちはまるで空を舞う天使のようでした。

オリビエティスケンスは、オーセンテックな硬いパリファッションから抜け出せなかったニナリッチを

見事に軽やかなフェミニンな現代の女性像へと脱皮させたのです。

こうして、クチュールを背景に持つロシャスとニナリッチでの経験を通して、

彼はシルエットや素材の探求を続け、ラグジュアリー・ファッションへの造詣をより深めていきます。

私の顧客も、オリビエティスケンスがロシャスから、

ニナリッチへと移行していくと同時に、より彼の理解者であり、

愛好家であり、ファンへとなっていきました。

オーナーバイヤー岩高

オリビエティスケンス回顧展 Vol.3

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▼ROSHAS
2003年~2006年

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▼その才能がメゾンの目に留まったのはま2002年。

「ロシャス」のプレタポルテのイメージ刷新のため、25歳という若さでクリエイティブ・ディレクターに抜擢されました。

この頃からティスケンスはダーク・ロマンチックな世界観を薄め、より洗練された

フェミニニティーやエレガンスの表現で高い評価を得ていました。

しかし、2006年7月、「ロシャス」の親会社であるプロクター・アンド・ギャンブル(The Procter & Gamble)が

ファッション部門の閉鎖を発表し彼はブランドを去ることになります。

(08年に伊ジボコー社とのライセンス契約によりファッション部門は復活し、ロシャスというブランドは現存しています)

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▼私がパリで初めてロシャスを目にしたときの感動を今も覚えています。

オリジナルの繊細なレースを駆使したドレスやワンピース。ツィードの表面にレースを張り付けたスーツ。

そのオリジナリティのレースを、ロシャスブランドのタグにしたのも彼の繊細なアイディアでした。

そしてこの頃私の店、マトッテイセラータでは、ジョン・ガリアーノやアレキサンダーマックイーン等のドレスをを取り扱っていました。

そんなメジャーブランドの中でありながら、モダンでエレガント、そしてどこかにダークでシックな香りがする

ロシャスは、瞬く間に私の顧客を虜にしたのです。

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オリビエティスケンス回顧展 Vol.2

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▼パリコレ、アントワープから帰ってきました。感動で高まる気持ちを早速お伝えしたいと思います。

オリビエティスケンスの回顧展は、彼自身がディスプレーした服に加え、デザイン画やバックステージ写真などを交え、

彼が描くミューズ(女性像)の変化をたどることができる展示になっています。

先ずは若くしてパリコレにデビューした1998年~2001年「ゴシック・プリンス」と評されたコレクションから展示がスタート。

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▼黒を基調にビンテージのレースやベッドリネン、シルク、チュール、レザー等様々な素材を組み合わせて描くスタイルはダーク・ロマンチックな世界観を強く感じさせます。

中には今でも売れそうな作品もあるから、彼の才能は凄いと感じます。点数もこの頃が一番多く展示されています。

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▼そして、この沢山のデビューコレクションを見れば、彼が20歳にして、如何に卓越した才能を持ち、

将来性を期待されていたかが伝わってくると思います。

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オリビエ・ティスケンス回顧展vol.1

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▼現代美術館MOMU。
入口はモダンな画像が手の動作に合わせて動きます。

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▼MOMUのウッドの美しい階段を上がり2階のティスケンスの回顧展「She walks in beauty」へ。

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▼回顧展のテーマ
『She walks in beauty』のリーフレットにはこのように書かれています。

「ティスケンスのミューズは時代とともに変化する。彼女はロマンチックで、神秘的で、強くてエレガント。

若い場合も年老いている場合もあるが、どこへ行こうとも美の中を歩いている」と。

オリビエティスケンスのデビューは、ベルギーが輩出した天才デザイナーとして当時かなり話題を集めたようです。

その後、若くしてデザイナーに抜擢されたロシャス、その後ニナリッチ、そしてセオリー、そして今。

時代と共に変わるミューズを追い求め表現した回顧展をご紹介して参ります。

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オーナーバイヤー岩高

アントワープ探索 Vol2

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▼翌朝は鳥の美しい声で目覚めました。そして奥様の手作りの朝食。

温かいミルクにコーヒー、サクサクのクロワッサンや沢山の種類のパン、フルーツ、手作りのスクランブルエッグ、ヨーグルト、ジャム…。

高級ホテルのブレックファーストも良いけど、おもてなしの心がこもった手作りの朝食にまさるものはありませんね。

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▼昨夜から雨のアントワープ。早速、地図を見ながら歩きます。

一日でほぼ歩ける距離の街は、歩けば歩く程、静かで落ち着きのある雰囲気に癒されます。

ベルギーブランドのAFヴァンテボゥスト、イッセイミヤケ等が並び、古い建物とモードな建築が混在して独特のストリートを演じています。

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▼ベルギーブランドをもっとも象徴するドリス・ヴァン・ノッテン。

ショップの両脇はレディースとメンズに別れて、春夏のディスプレイが並びます。店内は女性のお客様でとても賑わっていました。

実は15年前にここを訪れた時は、ベルギーブランドは私の店にセレクトしていませんでした。

そしてその後、私の初版『セレクトショップバイヤーへの道』には、ベルギーブランドが必要かどうかを問うためにここに来たと書いていました。

そして15年後の今日、再びここへ来て、マトッテイには欠かせないブランドとなったことをこの街に報告できたのです。

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▼アントワープ王立美術館まで足を伸ばすと、この向かいがアンドウムルメステールのショップです。

取引先と言うことで特別に店内の写真を撮らせていただきました。

予想外の天井の高さの入口スペースはパリコレのランウェイを表現しています。

2階はメンズレデイースの春夏コレクションが並びます。
またフィッティングルームはとても広く、自然光が差し込むパティオが望めます。

スタッフも全てアンドウムルメステールに身を包みお洒落に着こなすことで、

巨大なショップの空間の一部であることを充分に理解しているようでした。

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パリからアントワープへ Vol.1

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▼パリノード駅。

THALYSで約2時間で17時半到着予定。

ベルギーデザイナーを輩出したアントワープへ再び行ってきます。

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▼パリからベルギーのアントワープまで、THALYSで移動。

ベルギーとオランダの国旗の赤を基調にした車両と社内は華やかでした。

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▼アントワープに到着。

Antwerpの駅は以前に来た15年前に大改装され、超近代的な建築に。

コンクリート打ちっぱなしの大きな吹き抜けはB2Fから4Fまであり、電車が走っているのが大迫力で見えます。

反対側には時計台がある1800から1900年初頭のアンティークな世界が、広がっています。

クールでモードな世界を見せているアントワープファッションと同じでした。

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▼ホテルは隠れ家風の中庭のあるフェミニンな空間。

穏やかなご夫妻とフェリモン(赤猫)がお出迎えです。

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▼ホテルの部屋は北欧の家具とインテリアが癒しと温かみ溢れる空間です。

それとは対照的にバスルームはモダンなジエットバスとシャワールーム。

アントワープのホテルのインテリアやおもてなしは色んな意味で勉強になります。

短い間ですがここに2泊だけお世話になります。

 

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▼直ぐに陽が暮れたので、夕食までに少し街を歩きます。

アントワープの象徴の聖母大聖堂が高く静かに佇み、15年前にここを訪れた事を再び思い出しました。

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▼今夜はアントワープの名物、ムール貝のレストラン『maritime』へ。

中々予約がとれないほどの人気のレストランは既に7時には満席に。

アントワープ在住の知人お勧めで、トマトがたっぷり乗ったムール貝を注文。

ムール貝はパリでも食べたことがありますが、やはりここのムール貝はブイヤベース味で美味しさが卓越です。

量も半端なく満腹になりました。

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2018秋冬パリコレクション Vol.9

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▼パリバイイング最後は、昨年11月に亡くなった、アズディン・アライア『私はクチュリエ』の回顧展へ。

場所はアライアの店舗兼アトリエで自宅だったマレ地区。

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主催者はアライアの生涯のパートナーで画家のクリストフ・フォン・ウェイエと、ディエチェコルソコモの創始者、カルラ・ソッツァーニ。

回顧展では1981年から現在までの試作品40点が展示され、アライアの最後のショーでナオミ・キャンベルが着用したシルバースタッズのブラックドレスを初めアイコニックな作品が、アルミニウムのハーフシェルに飾られ、ソフトな証明がそれらを未来的に演出していました。

実はアライアのドレスをこんなに至近距離で眺めるのは私も初めて。

世界のセレブを虜にしたアライアがもうこの世に居ない事を感じながら、この場所に導かれた使命を感じざるを得ません。

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パリバイイングも無事終了。
これからベルギーのアントワープへ向かいます。

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